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「活用事例」個人塾のICT活用、「Classting」で反転授業を加速

<個人塾のICT活用、「Classting」で反転授業を加速…塾長に聞く実践例と効果>

記事ソース

ILE池田塾クラス

2015年4月、Classtingは教師と生徒をつなぐ学校SNSサービス「Classting(クラスティング)」の日本向けサービスを開始した。近年ますます注目される教育ICTサービスのうち、教師と生徒、そして保護者の3者間コミュニケーションを円滑にするという「学校SNSサービス」とは、一体どのようなものなのか。また、その活用方法とは。

日本版の提供開始から1年を経た今、Classting担当者に国内外の導入例を聞くとともに、国内の例のひとつとして2015年9月からClasstingを実際に導入しているという島根県のILE池田塾・塾長の池田徳幸氏に学校SNSの活用法やその効果を聞いた。

◆創業・開発は元小学校の先生…現場に寄り添ったサービス

–Classtingとはどのようなサービスですか。

Classtingは、“学校と家庭の垣根をなくす新連絡帳ツール”です。教室にいる教師と生徒、そして保護者が、お互いの学習情報を交換しながらともに学ぶ環境を提供するSNS形式を採用しており、教師だけではなく、クラスメイト全員が情報の送受信や共有できます。対象は、小中高校だけではなく、幼稚園や保育園、大学まで広く利用いただいています。

Classtingの創業者は、小学校の元・先生です。教育現場出身だからこそ、きちんと教育現場を理解したうえで「Classting」を作り上げました。個人情報の流出などを防ぐため、会員登録はメールアドレスもしくはID、パスワード、名前だけで行うようにしています。クラスはメンバーのみ参加できるクローズドなコミュニティですので、教室以外でも、より安全に、まるで教室にいるような感覚でやり取りできます。

–Classtingの特徴を教えてください。

学校や教育現場向けのSNSなどのサービスはいくつかありますが、塾や予備校での利用には制限がかかっていることが多いです。Classtingなら、教育機関であれば学校のほか塾・予備校、文化センターでもご利用いただけます。また、連絡機能・アルバム・写真・動画などの学習資料の共有などを無料で利用できるので、クラスメイトの絆を強めながら、より深い学習に繋げられる点が特徴ですね。もちろん、利用はすべて無料です。

日本版は2015年4月から提供されましたが、海外ではどのような国が利用していますか。

現在、Classtingは日本・アメリカ・韓国・台湾・中国でサービスを展開しています。米国では2015年11月にサービスを開始させ、現在は実際の導入校の先生から「生徒との双方向のコミュニケーションツール」として評価いただいています。日本国内では、学校以外にも塾で導入していただく動きがあり、たとえば、島根県のILE池田塾さんでは2015年9月からClasstingを利用していただいています。

教育ICTを教育現場に導入する際は通常、「解決したい」とする課題がある。島根県のILE池田塾・塾長の池田徳幸氏に、Classting導入の背景や学校SNS・連絡帳ツールを利用するメリットを聞いた。

◆反転授業の成果から教育ICT強化を検討

ILE池田塾院長池田さん

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–ILE池田塾さんは開塾30年以上の学習塾なのですね。

はい。池田塾は、1983年に開校して30年以上になる学習塾です。小学生・中学生・高校生を対象に、英語を中心にした一斉授業を行っています。現在は、高校生に大学受験中心の指導をしています。

ILE池田塾の指導モットーは、「根に水をやる教育」です。生徒を木にたとえると、幹や枝や葉は「目に見える部分(体、成績)」を表し、根は「目に見えない部分(心、やる気)」を表しています。成績が上がらない場合、その原因は心にあると考え、その原因を取り除き、新たにやる気という水を与えることこそが教師の使命と考えています。

現在、ILE池田塾は教育ICTの導入に取り組んでおり、1988年に導入したカーネル出版「LLシステム(英語音声指導機器)」のノウハウをタブレットやPCに置き換え、新たな試みを行っている真最中です。

◆まずは「無料」をきっかけに…連絡網としてフル活用

–教育ICT導入の目的は学校や塾によってさまざまですね。ILE池田塾さんでは、何を目的にClasstingを導入されたのでしょうか。

3年ほど前に始めた反転学習がきっかけです。反転授業を実施するようになってから、いろいろな動画を撮りながらどうやってそれを生徒に見せようか悩むようになりました。反転授業を実施して成績が良くなった生徒がいたので、動画授業は効果があることは実感していたとはいえ、利用を円滑にするようなサービスはどうしても月々の会費が課題になり、そもそも塾はサービスの対象にならない、という問題がありました。そんなとき、Classtingをネットで見つけ、無料ならすぐに導入できると思い、導入に至りました。

導入1年目は、各クラスの導入率によってはうまくいきませんでしたが、現在は中学生の親御さんには全員登録していただいており、連絡網としてフル活躍しています。高校生は全員がスマホを所有しているので、アプリのインストールには何の問題もなく、100%導入できています。また、招待コードがあることも、教室に登録する際に非常に便利ですね。

◆反転授業を加速…「連絡網」だから軽い気持ちで動画を視聴

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–どのようにClasstingを活用されていますか。

小・中学生の場合は連絡網としての利用が主ですが、実はそれこそが一番重要だと考えています。塾では月末に翌月のスケジュール表を配布していますが、連絡が徹底できず、塾の休講日を決めても休みの日にやって来る生徒が何人もいました。現在は、登録している親御さんに向けてClasstingを通じて連絡するので、そういったミスはほとんどありません。

また、やり取りは教師との間だけに制限できるので、急な事情で塾を休む場合など、親御さんも安心して利用していただいているようです。ただ、スマホの普及率は100%ではないので、月間スケジュール表はプリントも配布するように心がけていますね。

高校生の場合は、さらに積極的に利用しています。先に述べた反転授業は年齢層が若いほど実施が難しいのですが、高校生は非常にうまくいっています。反転授業にはやり方が2つあります。1つはあらかじめクラウドに多数の動画をアップしておいて見てもらうやり方、もう1つは必要なとき必要なものだけを見てもらうやり方です。

前者の場合は、生徒の管理が難しく全員に見てもらうのは大変ですが、後者の場合はこちらから指定したものだけを見てもらうので、比較的多数の生徒に見てもらえます。その際、Classtingを利用すれば、新たにどこかのサイトにログインする必要がなく、すぐその場で見ることができるので非常に重宝していますね。

Classtingの中にもストレージが存在するのも、授業の選択肢の幅を広げてくれていますよ。連絡網としてのCasstingなので、生徒は連絡の一環として軽い気持ちで動画を見てくれます。

◆デバイスを選ばない汎用性、今後の広がりに期待

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–導入後、利用する児童・生徒や保護者の方からはどのような反響がありましたか。

中学生の場合はおもに親御さんからですが、従来はできなかったような連絡もできるため、喜んでいただいています。宿題範囲を連絡するため、家庭でも宿題に対する取り組みが徹底できています。高校生の場合は、連絡網としてより、反転授業のほうが喜ばれているようです。生徒同士が塾の情報のやり取りをするために作った連絡網もあるようですが、やはりその中に入っていない生徒がいたりすると、連絡網としては不十分ですので、Classtingの存在は欠かせませんね。

Classtingは、スマホやパソコンがあれば誰にでも簡単に使えます。連絡時に独特の音で知らせてくれるし、連絡事項があるときはアイコンに印が入るので非常に使いやすいです。今後、ほかの学習塾でも導入が加速すれば、それに伴って学習塾におけるICT化や反転授業の導入も進んでいくものと期待しています。

–ありがとうございました。

池田氏は、近年学校現場で進むICT化の状況を前に、「学習塾だけ、とりわけILE池田塾のような小さな学習塾は取り残されるのではないか」と危惧しているという。そこで、今後は全国の私塾で結成する“反転授業研究会”のようなネットワークの形成に取り組んでいるという。池田氏によると、「その実現にはClasstingが不可欠。」全国で広がる塾・予備校のICT活用にも注目していきたいところだ。

 
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